近所から苦情が来る前に。校庭の砂ぼこりを防ぐ効率的な水の撒き方


今回の記事では、

校庭の砂埃が引き起こす問題点

学校の校庭から舞い上がる砂埃は、近隣住民からの苦情の原因となることが多く、さらに子供たちの健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

近隣住民からは特に、「車や住宅に砂埃が付着する」「家の中に埃が入り込むため、窓を開けられない」「洗濯物に埃が付着する」といった苦情が寄せられます。
これらの問題は日常生活において大きな不便を引き起こすので問題です。

また、校庭の砂埃は生徒たちの健康にも影響を及ぼします。
具体的には、目の痛みやかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどのアレルギー反応を引き起こす場合があるのです。
教室内に砂埃が入り込むことで、学習環境にも悪影響を及ぼす可能性があります。

効果的な砂埃対策とは

校庭での砂埃を減らすには、日常的な水撒きが有効です。
しかし、どのように水を撒けば効率よく砂埃を抑えられるのでしょうか?
最適な方法をご紹介します。

水撒きのタイミング

砂埃対策として最も効果的な水撒きのタイミングはいつでしょうか?
理想的なのは、校庭の土が乾燥して風が強い日で、生徒たちが外で活動する前の時間帯です。
このタイミングで水撒きを行うことで、砂埃の発生を効果的に抑制し、その影響を最小限に抑えることができます。

水撒きの方法

砂埃対策において、水の量と散布方法は非常に重要です。
効果的な水撒きを行うためには、スプリンクラーを活用し、散水範囲を適切に調節することがカギとなります。
ポイントは次の3つの条件をそろえることです。

  1. 多くの水を一度に散水すること(時短)
  2. 水圧を減らさないようにすること(時短と省力化)
  3. 持ち運び、移動を少なくすること。設置と収納を楽にすること(省力化)

多くの水を一度に散水すること

よくありがちなのが、グラウンドに小さな蛇口しか設置されていないと、その蛇口にホースをそのまま装着して使ってしまうことです。
以下のような小さな蛇口にそのままホースを取り付けていませんか?

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このようなイメージです。

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これでは細いホースしか使えないので、広いグラウンドですと「水量不足」が生じ、時間と手間が膨大になります。これが散水をあきらめる原因で一番多いです。

そこで、口径の大きな散水栓を設置するのがコツです。

回転アングルバルブ付分岐栓

こちらは、13㎜の蛇口に25㎜散水栓を設置したものです。
配管はそのままで、分岐して蛇口を付けるだけなので安価にできます。

以下は、25㎜の散水栓です。

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水源となる散水栓は重要です。
多くの水を一度に散水するためには、最低でも25ミリ(1インチ)ホースを使われるとよいです。

設置条件にもよりますが、一般的なご家庭の蛇口13㎜に対して2~3倍の水量が期待できます。
そして水量だけではなく、蛇口から先のホースによる抵抗で落ちる水圧を減らす効果もあるのです。

理想的には、40ミリ(1・1/2インチ)のホースを使えるように装備するのがオススメです。

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ちなみにですが、校庭クラスの広いところでは本来であれば40ミリ(1・1/2インチ)か50ミリ(2インチ)のクラスの装備が標準です。
余談ですが、屋内消火栓はこのサイズです。
消火や防塵(ぼうじん)はこの規模が理想なのです。

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水圧を減らさないようにすること

上水道から直結した水を散水に使う際、現場によって水圧は様々です。
一部の地区では大型スプリンクラーをポンプなしで使用できますが、別の場所では水圧が低く、効果的な散水が難しい場合もあります。
一般的に、多くの場所では約2キロの水圧があると経験上見受けられますが、これはスプリンクラーの使用には厳しい水圧です。

そのため、水圧をできるだけ落とさないための工夫が必要です。
理想的かつ推奨されるのは、配管自体を太くすることです。

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水圧損失は配管の内面と水の間の摩擦によって生じるのです。
口径が細いほど摩擦は大きくなり、水圧が低下します。

太い配管を施工すると、大型スプリンクラーを使用することが可能になり、それにより効率的な散水が実現できます。
通常のグラウンドでは、65A(2・1/2インチ)か最低でも50A(2インチ)の配管口径を確保するのが望ましいです。
大型スプリンクラーは多くの水を短時間で散布できるため、散水時間を短縮し、長期的には人件費の削減にもつながります。
初期の設備投資は大きくなりますが、その後の運用コストを考慮すると、結果的に経済的な選択となることが多いです。

小規模な散水グッズでは、時間と労力がかかりすぎ、散水の負担が増大します。
教員が夏場に長時間散水に費やすことは、現実的ではありません。
その点、適切な大型の配管や散水機器を導入することで、散水作業が効率的かつ経済的になります。

業務用の大型スプリンクラーと家庭用の散水グッズでは、散水の効率性が大きく異なります。
適切な設備投資により、現場の作業負担が軽減されるのはもちろん、全体としての運用効率も向上します。

最終的には、「配管も太くする」というのが理想的な解決策です。
このアプローチにより、散水作業の効率化を実現し、長期的なコスト削減を図ることができます。

持ち運び、移動を少なくすること。設置と収納を楽にすること

手動の散水ノズルを使用する際、広いグラウンドをホースで移動するのは一苦労です。
ホースの搬送と収納を容易にするため、ホース巻取機の常備をお勧めします。
特に大口径のホースは水の重みでかなり重くなるため、巻取り作業はホースに近づきながら行うと楽です。
車輪付きの巻取機なら、移動も簡単で、きれいに巻き取ることができます。

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また、散水ノズルの代わりに移動式スプリンクラー付きの台車を導入すると、散水の手間が大幅に削減されます。

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自動回転するスプリンクラーは最大30メートルまで水を飛ばし、直径60メートルの範囲を一度に散水できます。
これにより、ホースを引きずる手間がなくなります。
ホース巻き取り用のドラムが標準装備されているモデルもあります。

この散水システムのメリットは、初期導入費用の安さです。
全自動散水システムに比べて、総工費が半額程度で済むため、グラウンド散水システムとして人気があります。

校庭の砂埃対策で得られるメリット

校庭での砂埃対策がもたらすメリットは多岐にわたります。
近隣住民にとっては、洗濯物が外に干せるようになり、洗車の頻度が減少します。
また、窓を開けて新鮮な空気を取り入れることができるため、エアコンに頼らない生活を好む高齢者や電気代の節約を目指す家庭にとっても大きな利点となります。

さらに、生徒や教職員にとっては、砂埃によるアレルギー症状や呼吸器系の疾患(気管支ぜんそくや肺炎など)のリスク軽減が期待できます。
運動や外遊びが行われる環境が改善されることで、学校生活全体の健康と安全性が向上します。

散水スプリンクラーについてご相談ください

効果的な砂埃対策を実現するためには、適切なスプリンクラーの選定が欠かせません。
弊社は、散水一筋60年の散水用スプリンクラー専門の会社です。 現場に合った散水機器を選定し、見積・販売しています。お気軽にご相談ください。

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